すべての愛を君だけに。
「比嘉雨っ、参上しました!」
「…参上、ご苦労さま」
警察官のように敬礼しながら準備室にやってきたわたしに素っ気なく言う歩ちゃん。
長い長い1日を終えて、社会科準備室へやって来ました!
ぷかぷか煙草タイム中。
少しだけ開けていた窓を全開にして、煙草を消そうと灰皿に近づけているところでわたしがストップをかける。
「あーー!!」
「なんだよ、びっくりした…」
「消さないで!」
「なんで」
「吸ってるところみたい!」
歩ちゃんが煙草を吸うところ。
わたしを気遣って一緒にいる時はあまり吸ってくれない。
長くて細い指に挟んだ煙草を口に咥えて、また離して煙を吐く。
その仕草と吸ってる時の横顔と表情と。
全部大好き。