すべての愛を君だけに。
居たかったよ…。
なーちゃんと慶くんと春休み、一緒に映画を見に行きたかった。
その約束を果たす前に…わたしは日本を出なくちゃいけない。
泣きじゃくるわたしをなーちゃんはまた強く…強く抱き締めていてくれた。
それからまた少しの間話をして、なーちゃんが会いに来てくれたのが学校終わりの時間だったこともあり外が暗くなってきた頃。
「出国の日、分かったら教えて」
「わかった」
「絶対だよっ」
家の前まで送ってくれたなーちゃんが笑顔で言う。
お見送りしに来てくれるのかな。
なーちゃんがわたしの手を取ってぎゅっと握る。
「雨、ずっと友達だからね」
「わたしはなーちゃんのこと親友だと思ってるよっ」
「…わたしも…!」