すべての愛を君だけに。

「ずっと1人で抱え込んで…今もずっと1人で抱え込んでる雨を、このまま行かせていいんですか?」


「……っ…」


「望月先生!」


「そんなのわかってるよ」


「先生は何もわかってない!!」






我慢していたものが溢れるように湯川の叫びが駐車場内に響く。


わかってる。
わかってるよ。






「雨は苦しんでる!先生の事、まだ好きだから…困らせたくないから…っ」


「…俺にどうしろって言うんだよ……」


「雨は、先生が会いたくないって言ってたってそう聞かされてましたよ」


「そんなこと俺は言ってない…!!俺は…っ」






俺も会いたい。
あの日からずっと、雨に会いたくて仕方がない。


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