すべての愛を君だけに。
いつの間にか濡れた頬を拭いていた湯川は、笑って俺に背を向け校舎のほうへと歩いて行った。
雨に会ったら伝えないと。
湯川のおかげで会いに来れたこと。
スマホにはもう雨の連絡先は残っていない。
空港に着いたとしても雨を…見つけれるだろうか。
不安はある。
また兄貴達を傷つけてしまう。
だけど、やっぱり俺は雨に会いたい。
俺は、雨じゃないとだめなんだ。
もう絶対に迷わない。
俺はギアを入れ、車を発進させた。