すべての愛を君だけに。
お母さんも同様に、わたしと久しぶりに暮らせることを楽しみにしているように見えた。
そのわざとらしい振る舞いが、わたしには辛かった。
向こうに着けば…少しは楽になるのかな。
「母さん、雨!預け荷物持ってきてくれ」
そう言うお父さんの傍まで行き、キャリーケースを預ける。
カウンターでのチェックインは全て終わり、搭乗までまだ少し時間があるから2階にあるお土産屋さんなどを見てまわった。
お母さんが「もう来れないかもしれから」と、これでもと言うほど買って紙袋で両手をいっぱいにしていた。
「雨は何も要らないのか」
「うん、お母さんがたくさん買ってるしね」
「…そうだな」