すべての愛を君だけに。

「何?戻る気になった?」


「なってない」






誰が嫌いなこと進んでするもんか。
運動できないからしたくない。


出来れば教室でずーっと歩ちゃんだけの授業を受けてたい。






「比嘉が居るなら居る、俺も休憩中ってことで」


「…何それ」






昔は、“雨”って名前で呼んでくれてたのにな。
2人の時くらい、読んでくれたっていいのに。


でもきっと今名前で呼ばれたら心臓が口から出ちゃうくらいドキドキしちゃいそうだから。
やっぱり今のままでいいや。


歩ちゃんと2人だけの時間。


嬉しくて…だけど2人でいる事がいけないような気もして。


複雑な気持ちでチャイムがなるまで、ただ歩ちゃんが煙草を吸うのを隣で見ていた。


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