すべての愛を君だけに。
さすがに怖すぎる…。
「なんでもないです!ただの友達です!」て、叫びたい。
なーちゃんの言葉にため息をついて天ヶ瀬くんが立ち上がる…直前に。
「約束、覚えてる?」
そう言って微笑む天ヶ瀬くんを見る。
約束…夏休みに遊び行くってやつ?
コクコクと頷くと「連絡する」って言ってまた女子生徒の方へ戻って行った。
また騒がしくなる声と共にたくさんの視線の圧力はなくなった。
「雨ー、次試合だよ」
「…えー、したくない…」
「はいはい、行った行った」
なーちゃんがわたしの背中を押す。
体育で人に見られて試合したりするのも嫌なのに、ましてやこんな大勢いる中でやりたくない…。