すべての愛を君だけに。
「ありがと、天ヶ瀬くんもいつもと違って不思議な感じ」
「それ褒めてる?」
「褒めてる!」
笑う天ヶ瀬くんにつられてわたしも笑う。
…歩ちゃんだったら…いいのに。
「行こっか、時間迫ってるし」
「うん!」
今日は天ヶ瀬くんの提案でプラネタリウムを見に行くことになっている。
プラネタリウムなんて小学生の頃に行った以来だから、楽しみ。
人混みの中を歩いていると反対方向へと走るスーツを着た人とすれ違いざまに肩がぶつかる。
「あ…ごめんなさい!」
「こちらこそごめんね!」
よっぽど急いでるのか走りながら振り返って言い終わると、また前を向いて去っていった。