すべての愛を君だけに。
歩ちゃんが教壇に立って授業する姿はほんとにかっこよくてかっこよくて…。
黒板が綺麗な時で埋まっていく。
大好きな歩ちゃんの声で不本意ながら眠たくなる。
子守唄みたいな…ほんとに心地いい。
目を閉じると静かな教室に響く歩ちゃんの声しか聞こえなくて2人しか居ないみたい。
あー…寝そう……。
「こら」
頭の上から聞こえる声と何かが頭に落ちてきた。
はっとして顔を上げる
目の前には歩ちゃんが手に持った教科書でわたしの頭を叩いていた。
「比嘉、HRの俺の話ちゃんと聞いてたか?」
「…ばっちり」
わたしは右手の親指を立ててグッドサインを作りながら笑顔で答えた。