わけありくんを護ります
閉鎖した劇場

見抜けなかった裏切り



軽いトレーニングをしたり、ほぐしたり、部屋で出来ることをくり返し過ごして、早くも3日が経った。

松野くんたちの中の数日ってどれくらいか分からないけど。
顔を見合わせるたびに、催促するのはイヤだから、あっちから声がかかるのを待つしかない。


今日も無事帰宅、と。

寮に着いて、受付の喜八さんにただいまの挨拶をして通りすぎようとした時、

「あ……ちょいと凛ちゃん」
「はい?」

喜八さんに呼び止められ、受付へ。
すると、茶封筒を差し出され、私は首をかしげた。

「これは?」
「凛ちゃん宛てに寮のポストに入っててな」

私宛て?
封筒を受け取って確認すれば小さな文字で、

『 芝桜凛さんへ』と書かれていた。
お父さんではないのは確かだ。

「ありがとうございます」
「おう」

渡された封筒を不思議に思いながらも、喜八さんに礼を言って部屋へ向かう。

「誰なんでしょうね?」

「さあ……一応、部屋で見てみるけど」
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