わけありくんを護ります


「やぁ、強瀾の皆さん」

扉が閉まると、ステージ上が急に明るく照らされ目を細める。

「僕はヨイヤミの総長……鶴谷玄(つるやげん)。そして」

亀井虎之介(かめいとらのすけ)。総長の側近であり、まあ……ナンバー2です」

パーカーを肩にかけ、ステージ上の真ん中に座るあの白髪の人が総長……と、
見た目は完全にインテリ系の茶髪眼鏡くん。

「キミたちのことは知っているから、自己紹介は省こう。それより、芝桜凛は……キミだね」

「ええ」

総長の鶴谷が私を見て、ほほえむ。

「あのメッセージの後、キミが1人で来ないか楽しみにしてたんだけど……そんなおろかではなかったみたいだね。さすがだよ」

口元に手を当て笑う姿は、どこか品を感じるけど、総長って時点で帳消しね。
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