わけありくんを護ります

朝から絡まれたせいか、心の声の口調が悪い悪い。
でも本当のことだ。

パシッと私がつねってくる手を払いのければ、少しだけ驚いた表情を見せた彼。

何驚いてんの。こっちの方が驚いてるわ。


「触んな」

難癖をつけられ追われたことに加え、意味のわからないつねりに苛立ち、軽くではなく大胆に睨み付ける。

女だと思って甘く見られたままなんてごめんなんでね。


どうする……私を殴る?

一撃でのした4人のように。


挑発にも取れる私の目に、彼は笑った。
< 17 / 208 >

この作品をシェア

pagetop