裏社会の私と表社会の貴方との境界線

不機嫌な真白

次の日から、私達の関係には当然のように変化があった。


でも、それは決して悪い方向にはいかなかった。


そのことにホッとしている。


ツキとは前より一緒にいるようになったし、距離感も近くなった。


——まるで恋人みたい。


そんなことを思う日々も多くあった。


それから数日後の朝。


「華恋、水筒忘れてる」


「へっ…?あれ、本当だ…。ありがとう、ツキ」


私はツキから水筒を受け取る。


その時、お互いの手が触れた。


「ずっと触れられたらいいのに」


不意にそんなことを言うから、心臓に悪い。


そして、ユウが面白くなさそうな顔で近づいてくる。


「ふたりとも付き合ってんのかよ〜ってくらいな雰囲気、どうにかならないのかよ。ここ最近ずーっとそれだぜ?」


「知らないわよ。それに、ユウには関係ないから」


あの日からツキのことも意識するようになった。


ツキが苦手だったあの頃が、嘘みたいに感じる。


そうして、私達はいつものように学校へ向かった。


***


視線が痛い…。


昼休みになり、私はいつものように真白達とご飯を食べている。


いつもは楽しく喋っているのに、なぜこんなにも空気が重いのか。


原因私なのかしら?


前に座る真白はムスッとした表情をしていた。


「あのさ、どうして斗亜はそんなに不機嫌なの?いったいなにがあったって言うのさ。あ、もしかして華恋にフラれた?」


「ゴホッ、ゴホッ…」


ついむせてしまった。


その反応を見て、千智が言う。


「へぇ〜、華恋ちゃんにフラれちゃったのかぁ!残念だね、よしよし」


ニヤニヤにているあたり、そうではないとわかっているのだろう。


つまり、真白をからかっているだけだ。


「別に、違うし」


うーん、さらに不機嫌?


といっても、私はなにをすればいいのよ!


雰囲気が気まずくて、不意に外を見る。


とてもいい天気で輝いて見える青空にの中に、鳥が飛んでいる。


そう、しっぽの燃えたレラのような鳥が……ってあれ!?


私は勢いよく立ちあがった。


木にとまっている鳥は、間違いなく不死鳥のレラだった。


「ごちそうさま!少し用事ができたわ!失礼するわね!」


私は大急ぎで裏庭に向かった。


***


「レラ!何かあったの!?」


そう声をかけると、いつも通りすました声色で言った。


『レイ様より伝言を預かりましたゆえ、人間界に来ました。お時間よろしいですか?』


レイから伝言ってことは、計画がまとまったということだ。


やっとここまで来た。


私は手をにぎりしめる。


「わかったわ!私の部屋で、話を聞かせてちょうだい」


『感謝いたします』


そうして、私はレラと一緒に寮の部屋へ転移した。


自室にきた私は、レラに話しかける。


「それで?さっそくだけど、話を聞かせてちょうだい」


私はイスに腰をかける。


『今から申し上げること、一言一句聞き逃さぬようお願いいたします』


その丁寧な言葉遣いに、私は少しだけ息をのんだ。
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