はるけき きみに  ー 彼方より -
 そして鹿島屋敷を辞した。

 振り返っても地下室らしきものは見えない。

 だが、そばを大和川が流れていた。
 石川から報告されたそれだ。
 川の元をたどった。
 その一部が鹿島屋敷の石垣から流れ出ていた。

 それをじっと見る。
 滔々と流れる水の向こうに、娘らの存在を感じた。

 鹿島の顔を思い出した。
 渡した珍品に目を丸めていた。

 今ごろあの名器にうつつを抜かしていることだろう。

 憎悪の念が、徳兵衛の五臓六腑で、渦を巻いていた。









< 204 / 204 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ

総文字数/157,717

ファンタジー463ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
この物語を読んでくださってありがとうございます。 ◆ ◆ ◆ 以下、主要な経過を書き出しました。 歳の交換でアーロンが49歳から30歳になった事情 : [衝撃の出来事] P.119~ 歳の交換後、若くなったアーロンを受け入れた執事やリズの心情・違和感 : [前途に向けて] P.382~ この国の成り立ち、三大豪族の子孫であるアーロン (三大豪族とはグリンドラ家、ハインツ家、レブロン家) それゆえ彼を新国王に推すシュテルツの心情・言葉 : [前途に向けて] P.387

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop