学校の人気者は私だけを離してくれない
###No.3 絶対に離さない

楓さんの件が終わってから、学校生活は少しずつ落ち着いていった。
冬人くんも前より素直になった。
……ほんの少しだけ。
「おはよう。」
朝、教室に入ると冬人くんが声をかけてくる。
付き合う前なら絶対になかったことだ。
それだけで一日頑張れる。
でも。
幸せな時間は長く続かないらしい。
ある日。

体育の授業中だった。
私はダンス部の大会に向けて練習していた。
すると突然足をひねってしまった。
「痛っ……!」
その場にしゃがみ込む。
先生が駆け寄ってきた。
幸い軽い捻挫だった。
でも放課後。
その話を聞いた冬人くんは珍しく怒っていた。
「なんで無理した。」
「大会近いから……」
「怪我したら意味ないだろ。」
「ごめん。」
「謝るな。」
そう言いながら湿布を持ってくる。
不器用すぎる。
< 14 / 22 >

この作品をシェア

pagetop