The previous night of the world revolution5~R.D.~
これでも、ここに来るまで、結構揉めたのだ。

というのも。

『厭世の孤塔』は『天の光教』と共に行動しているが、彼らはドブネズミよろしく、『天の光教』本部の地下をねぐらにしている可能性が高い。

アイズが調べたところ、地下には避難用シェルターや、地上に続く脱出口もあるとのこと。

残党を残すのが大好きな『厭世の孤塔』のこと、間違いなく脱出口のある地下にいるはずだ。

すると、アリューシャはいつものように、狙撃ポイントで狙撃に集中する、ってことが出来なくなるのだ。

敵は地下にいるのだから、地下にいる相手を地上から狙撃するというのは、ちょっと難しい。

仕方ないから、今回アリューシャはお留守番して、後方で自分と一緒に大人しく良い子にしててね、とアイズは言ったのだが。

アリューシャは、これに断固抗議した。

普段なら、アイズの言うことは、基本的に何でも素直に聞くアリューシャ。

でも、今回は引き下がらなかった。

なんと言っても、『厭世の孤塔』はアイズを拉致し、拷問を加えた憎き相手。

自分の手で成敗してやらなければ、気が済まないとのこと。

「嫌だ絶対行く。アリューシャも行く!アリューシャも行く~!」と、散々駄々をこねた。

ルルシーは、「お前は良い歳して、玩具買ってみたいな我が儘やめろ」と怒ったが。

これが俺とルルシーの場合で、もし拷問されたのがルルシーだったら、俺は絶対後方待機なんてしていられないだろうなぁ、と。

むしろ率先して突貫して、一人残らず俺の鎌の錆にしてやるだろうなぁ、と思うと。

アリューシャの気持ちもよく分かった。

「まぁまぁ、アリューシャもここまで言ってるんだし、可愛い子には旅をさせよとも言いますよ」と、俺がフォローを入れると。

とうとうアイズが折れて、「分かった。後衛なら良いよ」と、渋々承諾。

で、今に至る。
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