B4サイズに魔法をつめて
ベッドのそばに来て、
「可哀想に。わかる? 千冬、もう大丈夫だからね。今、先生を呼んでくるからね」
と、私の顔を覗きこんで言った。



「……じゃない」

「え?」



どこかに行こうとしていたお母さんが、私のか細く、(かす)れた声を聞いて、足を止めた。



「大丈夫じゃないよ」


掠れた声で、でものどに力をこめて、私は話す。

お母さんを見つめる目が、自分でもわかるくらいにきついものになっていた。



「事故に遭ったこと、覚えている? 大変だったけれど、命に別状はないって!! だから、千冬、安心して大丈夫なんだからね!?」



お母さんは涙目で、睨む私の瞳を優しく見つめ返す。



私の目から涙が流れる。



「右腕、これ、どうなってんの? 骨折してんの?」

「そうだよ。右の手首が骨折してる。でもあんた、骨折で済んだんだから! 命は助かったんだよ!! 不幸中の幸いだよ!!」

「何言ってんの!?」



ポロポロ流れていく涙が、頬に染みて痛い。

きっと顔にも傷があるんだと思った。
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