B4サイズに魔法をつめて
「そっか。真昼が話したいと思う人がいればいいね」

「……話したいと思う人」

「そうだよ。いないの? まぁ、無理に話さなくてもいいけどさ」



真昼は少し考えて、
「うーん、今度話しかけてみます」
と、笑った。



「えっ、誰?」

「同じようにクラスに馴染めていない人がいるんですけれど、この間その人、『デイジー』を休み時間に読んでいたんです」

「気が合う予感がするね」






アパートの前まで帰って来て。



「寄っていかないの?」
と尋ねたけれど、真昼は首を振った。



「今日は帰ります。受験に向けて勉強もしなくちゃ、漫画を読ませてもらえないので」

「わかる。漫画、読みたいからね」

「はい。そのために勉強します」



ふたりで笑って、それから家に帰って行く真昼の背中をほんの少し見ていた。






それから。

少し経ったある日。



「千冬〜、あんたのスマホ、ずっと振動してるんだけど」
と、お姉ちゃんの声。
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