鏡映しのマリアージュ
第3話 お星様と妖精
◯2話の数日後(放課後)・2年7組の教室
生徒たちがザワザワと部活に向かったり帰宅したりする中、明はひどく慌てた様子で帰り支度をしている。
原仲「どったん、そんなに急いで」
矢巻「焦ってるというより怯えてる?」
前の席に座り椅子の背に顎を預ける原仲と、隣に立つ矢巻(明と原仲のクラスメイト。3人でよくつるんでいる。常に眠そうな顔をしている地味めな風貌の男子)の不思議そうな視線に答える暇もなく、ただひたすらに青ざめる明。
明「まじヤバいほんとにヤバいガチヤバい」
矢巻「一句詠んじゃってるじゃん」
荷物を全て鞄に詰め終わったちょうどその時、パタパタパタ…と廊下に響く足音が近づいてくる。何やら気配を察知した明は「はっ!」と肩をビクリと跳ね上がらせると瞬時に何処かへ姿をくらませる。置いてけぼりになった原仲と矢巻は、間もなく教室の前の扉に現れた蕾と雫と鉢合わせする。
蕾「めいーっ!」
原仲「うお、朝比奈姉妹お揃いじゃん。えーと…」
何かを思い出すようにこめかみに人差し指を突き立てる原仲。
〈回想〉
◯ある日・教室にて
原仲「なー、メイって朝比奈姉妹どうやって見分けてんの?」
矢巻「確かに。本当にそっくりだもんね」
明「最早潜在的に擦り込まれてるって感じなんだけど……」
しばし首を捻った明はやけにキメ顔でピンっと人差し指を真っ直ぐ立てる。
明「強いて言うならうるさい顔してんのが蕾、慈しみに溢れた顔してんのが雫っ!」
〈回想終了〉
閃いた原仲は蕾と雫を順番に指差す。
原仲「こっちが姉でこっちが妹!」
蕾「今失礼なこと考えたでしょ……は、はらいた?」
矢巻「くふっ」
原仲「原仲ですぅ。そんな腹壊してそうな名前の奴知りませーん」
早速茶番を繰り広げている3人に対して、雫がおずおずと口を開く。
雫「あのー明くんはどこに……?」
矢巻「メイならさっき何処かに逃げおおせて行ったけど」
蕾と雫はそっくりなやや呆れた様子の顔を見合わせ、同時にコクンと頷く。雫はそのまま遠慮がちに教室に入ると、掃除用具入れのロッカーと壁との間をひょっこり覗き込む。そこには細い隙間で息を潜めてガタガタと三角座りをする明の姿が。
雫「明くん」
明「はあああぁぁぁぁっ!なんでここが!!幼馴染センサー?」
雫「どっちかと言うと凪くんの双子センサーかな。明くんなら大方ここに行方をくらませるだろうって」
明「なんでそういうとこは鋭いんだよお」
頭を抱え込む明に蕾はズイッと顔を寄せ、額に人差し指を突き立てて首を起こさせる。
蕾「いちいち逃走しないでもらえます?いとしの幼馴染が揃いもそろってお迎えにあがってるんだから」
明「なんでそんな必死なんだよっ」
蕾「優木家のオムライスが懸かっているのです」
蕾は真剣な眼差しでスマホを明の目の前に掲げる。そこにはヘッダーに『つぼみ、しずく、優木母(3)』と表示されたトーク画面が。トークの最新履歴には『2人が来てくれるなら夕飯ご馳走しちゃう!今日のメニューはオムライスです♪』との優木母からのメッセージが浮かんでいる。
明はギョッとした面持ちでスマホに飛びつく。
明「なにこの奇妙なグループ!?母さんなにしてんの!?」
雫「割と昔から稼働してるよね」
蕾「猫とか犬の写真送ってくれたりね」
明「もうほんっとうちの母がすみません……」
項垂れる明の腕を蕾と雫が両側からがっちりホールドする。
蕾「というわけでレッツゴー♪」
無邪気にウィンクをする蕾の合図で、すっかり観念した明はトボトボと歩き出す。
生徒たちがザワザワと部活に向かったり帰宅したりする中、明はひどく慌てた様子で帰り支度をしている。
原仲「どったん、そんなに急いで」
矢巻「焦ってるというより怯えてる?」
前の席に座り椅子の背に顎を預ける原仲と、隣に立つ矢巻(明と原仲のクラスメイト。3人でよくつるんでいる。常に眠そうな顔をしている地味めな風貌の男子)の不思議そうな視線に答える暇もなく、ただひたすらに青ざめる明。
明「まじヤバいほんとにヤバいガチヤバい」
矢巻「一句詠んじゃってるじゃん」
荷物を全て鞄に詰め終わったちょうどその時、パタパタパタ…と廊下に響く足音が近づいてくる。何やら気配を察知した明は「はっ!」と肩をビクリと跳ね上がらせると瞬時に何処かへ姿をくらませる。置いてけぼりになった原仲と矢巻は、間もなく教室の前の扉に現れた蕾と雫と鉢合わせする。
蕾「めいーっ!」
原仲「うお、朝比奈姉妹お揃いじゃん。えーと…」
何かを思い出すようにこめかみに人差し指を突き立てる原仲。
〈回想〉
◯ある日・教室にて
原仲「なー、メイって朝比奈姉妹どうやって見分けてんの?」
矢巻「確かに。本当にそっくりだもんね」
明「最早潜在的に擦り込まれてるって感じなんだけど……」
しばし首を捻った明はやけにキメ顔でピンっと人差し指を真っ直ぐ立てる。
明「強いて言うならうるさい顔してんのが蕾、慈しみに溢れた顔してんのが雫っ!」
〈回想終了〉
閃いた原仲は蕾と雫を順番に指差す。
原仲「こっちが姉でこっちが妹!」
蕾「今失礼なこと考えたでしょ……は、はらいた?」
矢巻「くふっ」
原仲「原仲ですぅ。そんな腹壊してそうな名前の奴知りませーん」
早速茶番を繰り広げている3人に対して、雫がおずおずと口を開く。
雫「あのー明くんはどこに……?」
矢巻「メイならさっき何処かに逃げおおせて行ったけど」
蕾と雫はそっくりなやや呆れた様子の顔を見合わせ、同時にコクンと頷く。雫はそのまま遠慮がちに教室に入ると、掃除用具入れのロッカーと壁との間をひょっこり覗き込む。そこには細い隙間で息を潜めてガタガタと三角座りをする明の姿が。
雫「明くん」
明「はあああぁぁぁぁっ!なんでここが!!幼馴染センサー?」
雫「どっちかと言うと凪くんの双子センサーかな。明くんなら大方ここに行方をくらませるだろうって」
明「なんでそういうとこは鋭いんだよお」
頭を抱え込む明に蕾はズイッと顔を寄せ、額に人差し指を突き立てて首を起こさせる。
蕾「いちいち逃走しないでもらえます?いとしの幼馴染が揃いもそろってお迎えにあがってるんだから」
明「なんでそんな必死なんだよっ」
蕾「優木家のオムライスが懸かっているのです」
蕾は真剣な眼差しでスマホを明の目の前に掲げる。そこにはヘッダーに『つぼみ、しずく、優木母(3)』と表示されたトーク画面が。トークの最新履歴には『2人が来てくれるなら夕飯ご馳走しちゃう!今日のメニューはオムライスです♪』との優木母からのメッセージが浮かんでいる。
明はギョッとした面持ちでスマホに飛びつく。
明「なにこの奇妙なグループ!?母さんなにしてんの!?」
雫「割と昔から稼働してるよね」
蕾「猫とか犬の写真送ってくれたりね」
明「もうほんっとうちの母がすみません……」
項垂れる明の腕を蕾と雫が両側からがっちりホールドする。
蕾「というわけでレッツゴー♪」
無邪気にウィンクをする蕾の合図で、すっかり観念した明はトボトボと歩き出す。