君を思うと、胸がぎゅっと痛くて
放課後になると陽菜が私の教室にやってきて、LINEの画面を見せながら「やっぱはる兄が迎えに来るってぇー」って半泣きで腕にしがみついてきた。
少し遅れて後からやってきた奏も苦笑い。

「ほら、陽菜。早く診察終わらせて一緒に遊びにいこ」

「やだぁー! 病院めんどくさい、こわい、うざい!!」

「あぁ、分かるわぁ。その感じ」

「分かってんじゃねぇよ。さゆはサボる側なの知ってるけど今そう言う場面違うから。コイツ、なだめろよ!」

私はギロリ、と奏の方を睨みつける。
入院したことすらない、健康優良児にはこの苦痛わかるまい。

「じゃあ約束通り、奏がアイス奢ってくれたら陽菜は機嫌治すよ」

「え!? アイス!? しかもダッツじゃなくてサーティワンとかいいんですかァ、かいちょおー!!!」

「まだなんも言ってねぇ。でもまぁモールにいくなら本屋行きたかったしちょうどいいか」

「え、奏。本屋行くの? 珍しい」

「参考書。お前ら、一応俺は受験生だからな」

「「あ、忘れてた」」

ポカ、ポカ、と奏にそれぞれ殴られる。
まぁいいや。そんなに痛くないし。
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