婿入り希望の御曹司様とCool Beautyな彼女の結婚攻防戦〜長女圭衣の誰にも言えない3つの秘密〜花村三姉妹 圭衣と大和の物語
「……、はぁ? 今ここでその話?」
思わず語気が強くなったのは、自分でもわかっていた。
でも、それどころじゃなかった。胸の奥に渦巻くモヤモヤを抱えたまま、婚約だの結婚だのという話をするなんて、正直、無理があった。
──まずは、大和への不信感をどうにかしなければ。
ずっと考えていた。“あの秘密”を、どうやって打ち明けるか。3つの秘密のうち、どれをどう順番に伝えるべきか──そんなことで頭がいっぱいだったのに。
なのに、またひとつ、厄介な問題が増えてしまった。
「圭衣ちゃん……、他に、好きな人ができたの?」
ふいにかけられた大和の弱々しい声に、私は目を見開いた。
「へぇ? いきなりどうしたのよ?」
「……、なんで、僕との婚約をまだ先延ばしにしてるのか、わからなくてさ。
唯一考えられるのが……、圭衣ちゃんが僕のことをもう好きじゃなくなって、他に誰かいるんじゃないかって……」
その言葉は、胸にちくりと刺さった。どうしてそんなふうに思わせてしまったんだろう。
「それはないよ、絶対に。ごめんね。先延ばしにしてるのは、他に誰かいるからじゃないの。ただ……、今、会社のことでいっぱいいっぱいになっちゃって……」
「……、そうだよね。葉子ちゃんのことも、あったしね……」
申し訳なさそうに笑う彼の声が、妙に寂しげに響いた。
「本当にごめん。もう少しだけ、時間をちょうだい」
うつむき加減にうなずいた大和の横顔が、やけに切なく見えた。
胸がギュッと締めつけられる。
気づけば私は、ソファに座る彼の背中に腕を回していた。そして、そっと抱きしめる。
さっきまでの苛立ちが、嘘みたいに消えていく。
でも、その優しさが、かえって苦しかった。
(……、大和のこと、探ってるなんて──)
罪悪感が、じわりと胸に広がっていく。
大和のこんな顔、見たくなかった。あんなに明るくて、強くて、なんでも受け止めてくれるような人なのに。こんなふうに弱いところを見せる彼なんて、初めてだった。
──でも、彼をこんなふうにさせてるのは、私なんだ。
「……、ごめんね、大和」
心の中で、そっとつぶやく。
ねえ、大和──
今ここにいる、あなたと週末、あの場所で見かけたあなた。
どっちが、本当のあなたなの?
私はまだ、答えを知らない。
思わず語気が強くなったのは、自分でもわかっていた。
でも、それどころじゃなかった。胸の奥に渦巻くモヤモヤを抱えたまま、婚約だの結婚だのという話をするなんて、正直、無理があった。
──まずは、大和への不信感をどうにかしなければ。
ずっと考えていた。“あの秘密”を、どうやって打ち明けるか。3つの秘密のうち、どれをどう順番に伝えるべきか──そんなことで頭がいっぱいだったのに。
なのに、またひとつ、厄介な問題が増えてしまった。
「圭衣ちゃん……、他に、好きな人ができたの?」
ふいにかけられた大和の弱々しい声に、私は目を見開いた。
「へぇ? いきなりどうしたのよ?」
「……、なんで、僕との婚約をまだ先延ばしにしてるのか、わからなくてさ。
唯一考えられるのが……、圭衣ちゃんが僕のことをもう好きじゃなくなって、他に誰かいるんじゃないかって……」
その言葉は、胸にちくりと刺さった。どうしてそんなふうに思わせてしまったんだろう。
「それはないよ、絶対に。ごめんね。先延ばしにしてるのは、他に誰かいるからじゃないの。ただ……、今、会社のことでいっぱいいっぱいになっちゃって……」
「……、そうだよね。葉子ちゃんのことも、あったしね……」
申し訳なさそうに笑う彼の声が、妙に寂しげに響いた。
「本当にごめん。もう少しだけ、時間をちょうだい」
うつむき加減にうなずいた大和の横顔が、やけに切なく見えた。
胸がギュッと締めつけられる。
気づけば私は、ソファに座る彼の背中に腕を回していた。そして、そっと抱きしめる。
さっきまでの苛立ちが、嘘みたいに消えていく。
でも、その優しさが、かえって苦しかった。
(……、大和のこと、探ってるなんて──)
罪悪感が、じわりと胸に広がっていく。
大和のこんな顔、見たくなかった。あんなに明るくて、強くて、なんでも受け止めてくれるような人なのに。こんなふうに弱いところを見せる彼なんて、初めてだった。
──でも、彼をこんなふうにさせてるのは、私なんだ。
「……、ごめんね、大和」
心の中で、そっとつぶやく。
ねえ、大和──
今ここにいる、あなたと週末、あの場所で見かけたあなた。
どっちが、本当のあなたなの?
私はまだ、答えを知らない。