Music of Frontier
いくら、通りかかる人々をニンジン、ゴボウ、大根だと思おうとしても。
人間は人間だよ。
大体、お野菜は歌なんか聴きに来ないよ!
そう思うと、またゲロ吐きそうなくらい緊張した。
大丈夫、寝癖は直ってる。
お腹も…おにぎり一個じゃ大して変わらない。
それは分かってるけど、やっぱり緊張するものは緊張し、
「心配するな、ルトリア」
「…ルクシー?」
舞台の上で、ルクシーがさりげなく声をかけてきた。
「良いか、こう思え。お前は、このステージで一番輝いてる。お前が主役だ。主役なら、堂々としろ」
「…主役…」
主役。主役ね。
俺が、このステージの。
成程ね…主役…。
俺が主役に相応しいのかどうかは、別にして。
今この瞬間、俺が主役だって言うなら。
…少々羽目を外しても、許されるのでは?
そう思うと、不思議と気持ちが楽になった。
そうだ。恥ずかしがってる奴が一番恥ずかしいんだから。
恥ずかしがるよりは、楽しんだ方がマシ。
ならば、今は心置きなく…楽しもうじゃないか。