Music of Frontier
ルレイアの執務室に向かい、その扉を開こうとした。

そのとき。

「…じゃ、そういうことで良いですよね」

「いえーい!やった~」

「えへへ。楽しみね」

「滅多に見られるものじゃないもんね」

「あぁ。楽しみだ。持つべき者はコネを持つ先輩だな」

…。

…あいつらの声がするんだけど。

やっぱり出勤はしてるのか。

いつもは俺の執務室にたむろする癖に…今日はルレイアの部屋に集まってるのか。

…何で?

いや、別に自分の部屋に来て欲しい訳じゃなくて…。

…。

…ともかく、無事に生きてるのが分かったから、それで良いや。

何やら切羽詰まった様子もないし、気にしなくても…、

「…で、ルルシーには誰が言う?」

「言ったら、絶対怒るわね」

「だね。『お前ら馬鹿か!何考えてるんだ!』とか言いそうだ」

「ぷはは!アイ公超似てる~!」

…何だと?

帰ろうとした俺は、その場で足を止めた。

とりあえず、ぶん殴るぞアリューシャ。

「怒られたら嫌ですねぇ」

「大丈夫だルレイア先輩。もしルルシー先輩が激おこインフェルノして反対しても、俺がルルシー先輩の部屋に忍び込んで、気絶させてふん縛って連れてくるから」

「さすがルリシヤ!頼りになりますね」

「ちなみに、縛り方はどうする?」

「亀甲縛りでお願いします。エロい感じで」

「任せてくれ。得意だ」

ちょっと待てコラ。聞き捨てならんぞ。

最近、後輩がルレイア化してる気がする。

いや、それは元々か。

ってか、何で得意なんだよ。何処で習得したんだ。

ともかく、これでこいつらが何故俺の部屋に来なかったのかが分かった。

俺に聞かれたら不味い相談をしているからだ。
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