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「雑用ですか」

「おいおい鳴海ィ~。ちょっとしたゲームだと思って楽しんで来いよ。討伐数競ったりして!櫻井いねぇから2人で仲良くしろよー。ちょいと遠出になっから泊まりな?ホテルはもう手配済みだから安心しろ。んじゃ頼んだぞ~」

「「……」」

私達に有無を言わせることなく、結局は雑用を請け負うことに。

現着した頃には日も暮れ、いかにも治安の悪そうな雰囲気が漂う寂れた商店街。薄暗い中、既に抗争が繰り広げられていた。

「数が多いですね」

「二手に分かれよっか。そのほうが早くない?」

きっと白浜さんほどの実力があれば半グレ達の相手など造作もないはず。白浜さんは『自分は弱い』と嘆いていたがそれは違う。背負っているものが多すぎて自分が弱いと錯覚してしまっているだけだ。ここで私が『単独行動は危険です』そう言えばきっと彼女を傷つけることになるだろう。

「そうですね。くれぐれも油断はしないように」

「了解、亮くんもね」

「くれぐれも油断はしないように」

「ねぇ、なんで2回も言ったのー?なんでかなー、どうしてかなー?」

「気の緩みほど危険なものはありませんので」

「はいはい了解了解!んじゃ討伐数のカウント忘れないように!負けた方が夜ご飯奢りってことでオッケー?ちゃちゃっと終わらせてまたここに集合ね~!」

いたずらっ子のような笑みを浮かべて去っていく白浜さん。そんな彼女が私にはとても輝いて見える。

── 2時間後

「ちゃちゃっと終わらせるとは?」

「だって、だってさ?もう凄かったんだよ!?湧いて出てくるんだん!」

「そうですか。まぁ、怪我もないようですし良しとしましょう」

討伐数という言い方もあれだが、討伐数が多かったのは私。『負けたわたしが奢る!』の一点張りで、女性に奢ってもらうのは気が引けたが根負けしてしまった。

「ごちそうさまでした」

「いえいえ~。美味しかったね~」
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