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「ははっ、それ幻聴では?じゃ、わたしはこれで」

解毒剤の小瓶をポイッと先生に投げて返し、飲み物を持って去ろうとした時だった。

「白浜」

「もぉ、なんですか」

先生に呼び止められて少し振り向くと、死んだ魚の目ではく真剣な目をしてる先生がわたしをジッと見つめていた。

「悪かったな、よくやった」

きっとあの結婚式のことだと思う。この人でもちょっとした責任みたいなもの感じるのかな?先生があの時あの場を離れてなければ、怪我人0の現場になってたかもしれない。軽傷も含めると数人怪我人を出してしまった。それにあの場で健闘したのはわたしじゃなく亮くんだし。

「それ、わたしじゃなく亮くんに言ってください」

「ククッ、オメェら同じこと言うのな~」

「え?あっ……もぉ、なんなの?あの人」

去っていく先生のちょっと猫背な後ろ姿を呆れた顔で眺めるわたし……ってヤバぁ!氷室先輩に『おっせぇ、どんだけのろまなんだよオマエは』ってどやされるってこれ!
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