トップシークレット
渋々電話に出たわたし。もちろん相手は氷室先輩で『オマエしばらく俺のパシりにしてやる』だのなんだの意味分かんないこと言ってたからブチッと切った。

「ごめん、迷惑電話だった……って、えぇ……?」

さっきまでいたはずの亮くんはもう既にいない。

「あーーもう……出てこいやゴルァァ!鳴海亮ぉぉ!!」

トチ狂ったわたしは亮くんを追っかけ回した。

「亮くん!」

「ちょっ、待ってよ亮くん!」

「おいこら、待て!」

「ゴルァァ!!鳴海ーー!!」

だぁぁー死ぬ、体力が持たない!ゼーハーゼーハー言いながら見失った亮くんを探すわたしはきっとどんなホラーよりもホラーになってる自信あるわ。

「へぇ、S専に図書屋なんてあったんだ」

使われてるのか使われてないのか分からない雰囲気の図書室に音を立てず侵入したわたし。大きな本棚から本を取ろうとしてる亮くんをロックオン。わたしは気配を消してゆっくり近付いた。

スッと亮くんの背後に立って亮くんが振り向いた瞬間、わたしはドンッ!!と激しく壁ドンして本棚に亮くんを追いやる。

「なーるーみーくーん」

「し、白浜さん」

「なんで逃げるのかなー?なーるーみーくーん」

「ちょ……白浜さん、近いです」

「なにを言ってるのかな?鳴海くん。ここまでしないと逃げるでしょ、きみ。ねぇ?楽しかった?わたしとの鬼ごっこは。ん?」

わたしは亮くんを壁ドンしながら満面の笑みを浮かべて見上げている。亮くんはバツが悪そうな表情をしながら目を逸らした。

「すみません」

「んー?それはなにに対しての謝罪かなー?」

「全てです」

「……なにそれ、別に亮くんは悪いっ……んっ!?」

「白浜さん、少し静かに。誰か来ます」
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