トップシークレット
図書室での出来事から数ヶ月も経って夏の真っ最中。S専に長期連休なんてものは存在しないから、わたし達はずっと一緒に過ごしてるようなもんで、あれ以降極端に避けられることはなくなったけど、距離が縮まることもなかった。
日に日に積もってく胸のモヤモヤ。だけど、そのモヤモヤを晴らす術をわたしは持ち合わせない。付かず離れずなこの状態、本当になんとかなんないかな。
「羽田野先生!今日はなんの任務っすか!?な、気になるよな?鳴海!」
瞳をキラキラさせて『任務!任務!』とテンション高めな流星くん。
「君は何故そのように気分上々なんですか、鬱陶しい」
冷めた目をして眼鏡をカチッと上げながらため息を吐く亮くん。
「ねむぅ」
寝不足で目が半開き状態なわたし。
「やる気あんのは櫻井だけかぁ?ったく。んじゃ、本日の任務を発表するぞー」
いや、発表とかいらないし。そもそも最近緩い任務ばっかで身が引き締まらないっていうか。
「ガキの護衛でーす」
「「「ガキの護衛とは?」」」
「男子高生その他メンツの護衛ってやつだな」
ええ、またこの手のやつ?S専は良くも悪くも金を積まれればなんだってやる。護衛対象が猫だろうが犬だろうがなんだろうが、金を積まれればやる。そういう場所なのよ、S専って。
「んじゃこれからザックリ説明すんぞ~。とある企業の坊っちゃんが学校をサボって不良仲間と別荘でドンチャン騒ぎしてんだとよ~。んでその坊っちゃんの婆さんがウチの上層部と仲良しってわけだ。なにをやらかしたのかその婆さんがXに狙われてる可能性があんだとよ~。だからドンチャン騒ぎしてるクソ孫にも一応護衛つけろって命令だ」