契約の愛で結ばれたのは、まさかの敏腕CEO!?~独占欲滾るスパダリは極上溺愛で囲い離さない~
 帰宅した後、茉莉花と颯馬は並んでリビングのソファーに座り、手を握ったまま長い話をした。
 その中で、茉莉花は颯馬から優香の話を聞いた。

 池内優香の母は、躾が厳しくて有名だったこと。
 優香はそれに耐えきれず、幼少期から母親と離れて暮らしていたこと。
 そして、母親の名前が『まりか』であったこと。

「池内さんが茉莉花さんに執着していたのは、母親との関係が原因であったようです。茉莉花さんを支配することで母親への呪縛から逃れようとしていたのかもしれませんね」
「そう、ですか……。私、優香の家庭事情のこと、全然知りませんでした」

(もっと優香の話を聞いていたら……なんて、考えても無駄だけれど)

 彼女には彼女の事情がある。
 そう思っても、ここまで関係がこじれてしまったら、友人に戻ることは難しいだろう。

「僕は池内さんも許してはいません。檜山に手を貸し、茉莉花さんを傷つけた。……池内財閥にも連絡済みです。彼女から何かされることは、金輪際絶対にありえません」

 茉莉花の隣に座っている颯馬の低い声からは、怒りがにじみ出ていた。
 茉莉花にはそれがありがたく、そして少しだけ複雑だった。


 茉莉花は小さく首を振ると、少しだけ微笑んだ。

「それにしても来てくれた時の颯馬さん、格好良かったです。ドラマのヒーローみたいでした。ふふふっ」

 そう言って笑うと、颯馬が少しだけはにかんだ。
 耳が赤くなっている。

「颯馬さんは、私のヒーローです。今日だけじゃない。喫茶店でもアプリでも、何度も私を助けてくれました」
「僕も、茉莉花さんに支えられていました。おあいこです。それに……あんまり言われると照れます」
「ふふふっ」

 茉莉花は颯馬の顔を真っ直ぐ見ると、小さく息を吸った。

「大好きです、颯馬さん。ずっと一緒にいてください」



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