遣らずの雨 下
ガーベラ
前に進みたい
「それじゃあ‥行ってくるね。
明後日には戻るから‥‥。」
『ん‥‥気をつけて。
何かあったらいつでも連絡しろ。』
スーツケースを凪から受け取ると、
静岡駅のホームで見送ってくれた凪に
手を振る
お盆休みを使って、お父さんに会いに
行く事に決めた私は、お盆期間お店と
工房も休みになると聞き、父に連絡を
入れたのだ。
凪と出会ってもうすぐ1年‥‥
ほんとに色々な事があったけど、
あの場所を見つけて凪に出会えた事は
奇跡だと思えている
初めて離れるから寂しいなんて
きっと私だけだろうな‥‥
新幹線に乗り込むと、凪と思いを
伝えあった日からの事を色々と
思い出していた。
--------------------------------------------------
『2階は狭いから、こっちに住めよ。』
「えっ!?そんな‥‥今まで通りで
私は大丈夫。それに物件も近くが
空いたら出て行くから。」
一緒に眠った次の日、工房の2階で
遅めのブランチを凪と食べている時に、
そう言われた。
気持ちが同じになったばかりなのに、
いきなり同じ空間に住むなんて無理
だと思えてしまう。
凪の生活スペースに入り込み過ぎて、
それに慣れてしまうのも少し怖い‥
場所を移動しなくても、今まで通りなら、ずっと一緒にいる事に変わりは
ないと思ってるんだけどな‥‥。
『皐月。』
「な、なに?」
『昨日の俺の気持ち‥伝わんなかった?
足りねぇなら』
「つ、伝わってる!!」
伸びてきた凪の指が私の手を取り
絡めると、不貞腐れたように
スネた顔をする凪に慌てて大きな声を
出す。
あんなにハッキリと好きと言ってくれた
し、キスとそれ以上の行為の全部から
凪の気持ちは伝わっている
「一緒が嫌とかじゃないの。
ただ凪に与えられたままの自分で
居たくない。ちゃんと自立して、
向き合いたいだけ。
それじゃ‥ダメかな‥‥。」
『‥‥皐月はそういうヤツだよな‥。
それじゃあ休みの日だけでもここに
いろ。』
凪‥‥‥
いつだってわたしの気持ちを尊重して
責めないでいてくれる‥‥。
それだけでも十分に甘やかされてると
思い、抱き締められた腕の中で凪の
温もりを沢山感じた。
明後日には戻るから‥‥。」
『ん‥‥気をつけて。
何かあったらいつでも連絡しろ。』
スーツケースを凪から受け取ると、
静岡駅のホームで見送ってくれた凪に
手を振る
お盆休みを使って、お父さんに会いに
行く事に決めた私は、お盆期間お店と
工房も休みになると聞き、父に連絡を
入れたのだ。
凪と出会ってもうすぐ1年‥‥
ほんとに色々な事があったけど、
あの場所を見つけて凪に出会えた事は
奇跡だと思えている
初めて離れるから寂しいなんて
きっと私だけだろうな‥‥
新幹線に乗り込むと、凪と思いを
伝えあった日からの事を色々と
思い出していた。
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『2階は狭いから、こっちに住めよ。』
「えっ!?そんな‥‥今まで通りで
私は大丈夫。それに物件も近くが
空いたら出て行くから。」
一緒に眠った次の日、工房の2階で
遅めのブランチを凪と食べている時に、
そう言われた。
気持ちが同じになったばかりなのに、
いきなり同じ空間に住むなんて無理
だと思えてしまう。
凪の生活スペースに入り込み過ぎて、
それに慣れてしまうのも少し怖い‥
場所を移動しなくても、今まで通りなら、ずっと一緒にいる事に変わりは
ないと思ってるんだけどな‥‥。
『皐月。』
「な、なに?」
『昨日の俺の気持ち‥伝わんなかった?
足りねぇなら』
「つ、伝わってる!!」
伸びてきた凪の指が私の手を取り
絡めると、不貞腐れたように
スネた顔をする凪に慌てて大きな声を
出す。
あんなにハッキリと好きと言ってくれた
し、キスとそれ以上の行為の全部から
凪の気持ちは伝わっている
「一緒が嫌とかじゃないの。
ただ凪に与えられたままの自分で
居たくない。ちゃんと自立して、
向き合いたいだけ。
それじゃ‥ダメかな‥‥。」
『‥‥皐月はそういうヤツだよな‥。
それじゃあ休みの日だけでもここに
いろ。』
凪‥‥‥
いつだってわたしの気持ちを尊重して
責めないでいてくれる‥‥。
それだけでも十分に甘やかされてると
思い、抱き締められた腕の中で凪の
温もりを沢山感じた。