幼なじみは、私だけに甘い番犬
(玄希視点)

 昼休み、空き教室の一角で昼食をとる、玄希と龍斗。
 昨夜の出来事を報告するために、椰子たちとは別々でお昼ご飯をすることにしたのだ。


「椰子ちゃん、『納得した』って言ってたし、今朝の様子からしても揉めてるとかじゃないんだよな?」
「……うん」
「なら、よかった」

 玄希は昨夜の出来事を思い出し、思わず笑みが溢れた。
 ずっと想いを募らせていた相手(椰子)と、初めてキスをしたのだから。
 
 子供の頃のチュッみたいなものをカウントしたら、たぶん遥か昔にファーストキスだなんて済んでしまっているが。
 お互いに意識して、ちゃんと受け入れてしたものは、昨日のあれが最初だと思う。

「何、思い出し笑い?」
「あ?……あぁ、そうだな」
「イヤラシ~」
「何でだよ」
「戴きっ!」
「あっ……」

 揶揄う龍斗の肩を小突こうとした瞬間、隙を狙っていたのか、お弁当箱に入っていた一口ハンバーグを盗まれてしまった。

 昔の俺なら、龍斗のおかずを奪いに行くところだけど、この3年間のことを思えば、ハンバーグくらいじゃ足りないくらいだ。

< 51 / 103 >

この作品をシェア

pagetop