好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

それぞれの航路

~風里~

2月になって、俺たち3年生は自由登校になった。



一般受験組は今が踏ん張り時だけど、俺はとにかく毎日アートに明け暮れる。



今日は穂高の第一志望の大学の受験日。



『がんばって』



メッセージを送ってから俺も家を出た。



今日は美術館が近接してある大きい公園で風景画描きにいくんだ~。



画材を持って目的地に着く。



大きい池がある公園。



しばらく描いてたら、近くに小学生の男の子が座って、同じように画材を出しはじめた。



小学5年生か6年生くらいかな?



今日は平日。



学校はお休みなのかな…?



気にせず自分の絵に集中していた。



しばらくして休憩しようと立ち上がったら、その子も結構良い感じに描き上げてて。



「上手いね」



なんとなく声をかけた。



その子は驚いたように俺を見てて。



でも心なしか嬉しそう。



「お兄さんもすごく上手いね」

「ありがとう」



俺は微笑んだ。



それから2人しばらく描き続けて。



なんだかちょっと仲良くなった俺たち。



描きながら2人で話してた。
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