鳴神くんは理想の男子? 〜本好きの地味子ですが、陽キャな後輩くんになぜか懐かれています〜
1 地味子と陽キャ
「はぁ……」
昼休みの図書室で私は読み終えた恋愛小説を抱き締め小さく溜息を吐いた。
(あ~、最っ高にエモかったぁ。ヒーローメロ過ぎ!)
私は優木鈴音。高校二年生。図書委員。
小学生の頃からメガネが身体の一部、趣味は読書な所謂地味系女子である。
良く言えば文学少女。と言っても私が好んで読むのは恋愛小説ばかり。少女マンガも大好きだ。
(やっぱり物語はハッピーエンドに限るなぁ)
「鈴音先輩!」
「うわっ、びっくりした」
図書室なのに思わず大きめの声が出てしまった。
カウンター向こうにぬっと人の顔が現れたからだ。
今日はそんなに人がいなくて良かったけれど。
「鳴神くん」
「とーうーま! 鳴神って言い難いし斗真でいいって言ってるのに」
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