鳴神くんは理想の男子? 〜本好きの地味子ですが、陽キャな後輩くんになぜか懐かれています〜

4 胸の痛み


(最っ悪!)

 一年のギャル集団に囲まれ、私はひとりダラダラと冷や汗を流していた。

 放課後、校門を出たところで彼女たちに声を掛けられた私。
 嫌な予感がして「この後バイトだから」と帰ろうとしたのだけど、近くのこの小さな公園にほぼ無理やり連れてこられたのだ。

 その中のひとり、おそらくはリーダー格のバリバリ化粧した子が怖い顔で言った。

「センパイ、そろそろ斗真くんを解放してくれません?」

(やっぱ鳴神くん関係か~)

 だろうと思った。というかそれしか思い当たらなかった。

 ……ここ最近の不安の原因。
 まさに私はこの状況を恐れていたのだ。

 モテるらしい鳴神くん。きっと彼に本気で恋をしている子がたくさんいるはずで。
 だから、いつかはこんなことがあるんじゃないかと思っていた。
< 16 / 45 >

この作品をシェア

pagetop