鳴神くんは理想の男子? 〜本好きの地味子ですが、陽キャな後輩くんになぜか懐かれています〜
4 胸の痛み
(最っ悪!)
一年のギャル集団に囲まれ、私はひとりダラダラと冷や汗を流していた。
放課後、校門を出たところで彼女たちに声を掛けられた私。
嫌な予感がして「この後バイトだから」と帰ろうとしたのだけど、近くのこの小さな公園にほぼ無理やり連れてこられたのだ。
その中のひとり、おそらくはリーダー格のバリバリ化粧した子が怖い顔で言った。
「センパイ、そろそろ斗真くんを解放してくれません?」
(やっぱ鳴神くん関係か~)
だろうと思った。というかそれしか思い当たらなかった。
……ここ最近の不安の原因。
まさに私はこの状況を恐れていたのだ。
モテるらしい鳴神くん。きっと彼に本気で恋をしている子がたくさんいるはずで。
だから、いつかはこんなことがあるんじゃないかと思っていた。