鳴神くんは理想の男子? 〜本好きの地味子ですが、陽キャな後輩くんになぜか懐かれています〜

2 最初の告白


「もう付き合っちゃえばいいのに。斗真くんカッコいいし、モテるみたいだよ~」

 友人のいづみがニヤニヤと言う。
 一年のときからの友達で、彼女も本が好き。それで気が合ったのだ。
 いづみは恋愛ものより少年マンガやラノベの方が好きみたいだけど。

「だーから。別に彼氏とかいらないんだって」

 午後の授業が始まる前の時間、私は机に突っ伏してそう答えた。

 ……確かに、良い顔をしているとは思う。
 爽やかイケメンという言葉がぴったりだ。それであの明るさ。そりゃモテるだろう。
 だからこそ。

「なんで私なのかさっぱりわかんないし」
「確かに、なんで鈴音なんだろうね」
「ほんと、陽キャは陽キャ同士で付き合えばいいのに」

 私みたいな陰キャで地味な子より陽キャで可愛い子が周りにいっぱいいるだろうに。

「好かれたきっかけとか、やっぱわかんないの?」
「全く。初対面でいきなり『好きです』だもん。意味わかんない」
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