獣と呼ばれる冷酷総長はベルに真実の愛を求める



私は、ベルとか総長の女とかそんな肩書きは必要なくて、本に出てくるような人生を賭けて人を愛すような恋に憧れている。


例えば…身分違いだけれど、自分の位を捨てて愛する人を幸せにするとか。

危険だとわかっているのに、本能に逆らえず禁断の恋に落ちてしまうとか。



そんな恋がないかなと、今日も恋焦がれている。




「里菜ちゃん選ばれるといいね!」


「選ばれたらもうその場で気絶しちゃうかもしれない…胸熱展開だもん!」


「あはは…里菜ちゃんが選ばれるように今日1日願っておくね?」



身を乗り出して話す姿に圧倒されて、苦笑いになってしまった。

里菜ちゃん可愛いから選ばれそうな気もするけど…。
何を基準にして選考するのか全くわからない。




「ありがとう!でも、大体この流れは乗り気じゃない七瀬みたいな子が選ばれがちだよね」


「ええ!?やめてよ〜!そんな怖いフラグ立てないで」



ごめん冗談って言いながら席ついたけど…今までの里菜ちゃんのフラグって回収しなかったことないんだよね…。


今回ばかりは笑えない。



今日1日周りがそわそわしていて、最初はなんとも思ってなかったのに変に私まで緊張しちゃって最後の授業なんて集中出来なかった。


里菜ちゃんが冗談でも、私みたいな子が選ばれるかもよとか言うから…




里菜ちゃんが選ばれますように(私を絶対選ばないで)と毎時間休み時間がくると願ってたから大丈夫と思い込む。




「そろそろだね」


「私、バイトあるから帰るね」


「え?七瀬!?それはまずいんじゃ…」


「でも…」



置いてかないでなんて言ってすがりつかれたら、帰るに帰れない。

まあ、呼ばれるのは大した時間を使わないだろうから、終わったらすぐ帰ろう…!



「あー、皆さんお待たせしました。もうすぐ薔薇の花びらが散る頃となりましたー。
手短に済ませたいので、“ベル候補”を早速発表させていただきまーす」



す、すごい…さっきまでざわついていたのに、放送の声が聞こえた途端ピタリと止まった。


放送越しなのに、抑揚のない気だるげな性格がうかがえる。



里菜ちゃんにベルについて教えてもらった時に、ついでで鳳凰についても聞いておいた。

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