救う気ゼロの大魔法使いは私だけに夢中。~「迎えに来るのが遅くなってごめんね」と助けてくれた見知らぬ美形に話を合わせてみたら~
 ルーファスが世界でも五本の指に入るほどの大きな魔力を持っていると言われれば、すんなりと納得出来てしまうほどに視線が強く思えた。

「サブリナ。緊張しなくても良い」

「はっ……はい!」

 緊張のあまり無言のままだったサブリナを心配したのか、ルーファスは安心させるようにそう言い、慌てて彼女は返事をした。

「……心配せずとも、魔界の門の封印は君の願った通りにこなす。ただ、実物を見て調べてみれば、あれは色々とややこしく難しい。僕が自己流で封じるよりも、石門に刻まれた封じ方を習い、その時のやり方を辿った方が良さそうだ」

「……そうなのですね」

 サブリナは魔界の門の封印について、何がどうなっているのか知る由もないので、ルーファスの言葉に頷くしかない。

「なので、刻まれた魔術紋様の意味を調べながらになり、多くの時間を掛ける事にはなってしまうが、サブリナが心配していたような事態は起きないだろう」

「ありがとうございます。ルーファス様」

「サブリナ。なんだか、よそよそしい態度だね。ルーファスで良いよ。僕たちは、恋人同士だろう?」

「っ……はい。ルーファス」

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