リアル・アクション・アプリ
「瞳のせいじゃないよ! わたしだって賛成したんだし」

知里が必死になだめてくれるけれど、美穂の恨みがましそうな顔が脳裏にこびりついて離れない。

「誰のせいでもない。こんなクソみたいにアプリを作ったやつのせいだ」
昇が拳で壁絵を殴りつける。

菅原先生に中条先輩に美穂。
大切な人たちが順番にいなくなっていく。

怒りと恐怖で頭がどうにかなってしまいそうだった。
「洋太さんと連絡が取れたんだ。今から合流するつもりだけど、どうする?」

私が机に突っ伏したまま動けずにいる間に、昇はちゃんとこの先のことを考えてくれていたみたいだ。

正直もう一歩も動きたくなかった。
このまま教室のシミになってしまうことができれば楽だと感じる。

だけど……私は手の甲で涙を拭って立ち上がった。
もう少し私にできることがあるかもしれない。

「もちろん。一緒に行くよ」
そう、答えたのだった。
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