妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?
「ナルティシアとは友人ではありますが、一人の女性としても魅力的であると思っていました。こうして改めて顔を合わせてわかりました。僕はあなたと結婚したいと」

 ウェリダンお兄様は、特に恥ずかしがることもなく自分の気持ちを口にしていた。
 つまり幼い頃から、友人以上の感情があったということなのだろうか。いやというか、これは普通に愛の告白ということになるような気もするのだが。

「……なるほど、そうでしたか。ウェリダン様、私も概ね同じような気持ちです」
「え?」

 ただでさえ混乱していた私は、ナルティシア嬢の返答にまた変な声を出すことになった。
 急な話であるというのに、彼女の動揺は既に収まっているようだ。いくら侯爵家の令嬢だからといって、そんなにすぐに切り替えられるものなのだろうか。
 いや、その辺りには貴族としては割り切れるようになるべきなのかもしれない。私も見習わなければならないだろう。
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