上司と始める秘密の子作り契約?!~あなたのことを好きになってもいいですか~
 名前をつけて自分の気持ちを縛るのが怖かった。

 いつだって言い訳して逃げ道を作っていないと前を向いて歩けなくなる、それだけの話だ。


 好きだった、憧れていた。
 上司として憧れて、人として好きだった。男性として……見つめるほど焦がれていた、きっと。


 そもそも出来るわけない、好きでもない人とセックスなんて。まして、子供を望んでのセックス、誰でもいいわけがない。


「わたし――「待って」

 言いかけた言葉を不破さんに遮られた。抱き締められた腕の中では不破さんの表情が全く読めない。でも声は、さっきよりもずっと優しく感じる。

「あかり、最初に聞いたよな。俺にメリットがあるのかって」

「……はい」

「メリットしかなかったんだよ、俺にとってはこんなのチャンスでしかなかったんだ」


 (え?)


 抱き締められていた腕の力が弱まって肩を掴まれた。
< 160 / 197 >

この作品をシェア

pagetop