上司と始める秘密の子作り契約?!~あなたのことを好きになってもいいですか~
 誰にも言えない関係を失くしたくない。

 夢のような時間を現実として感じたかった、あかりは不破にその思いをぶつけた。

 熱を孕んだ瞳で見あげてくるあかりを見つめながら不破は思っていた。あかりが何かに迷って不安になっている、それでも気持ちをはっきり告げることはない。

 自分には本当の本心など言わないのだな、と。

 あかりの本音が聞きたい。心の奥で本当は何を思い感じているのか。肌を重ねて熱を絡ませてもまるで剥がれ落ちる様に気持ちだけが取りこぼされていく気がする。

 あかりも不破も、自分の隠し持つ本心を言葉にするタイミングを逃してしまっていた。

 でも身体を重ねてさえいれば繋がっていられると……お互いの熱を絡め合っていればいつか溶けて分かり合えるんじゃないかと信じていた。

 でもそれはただの逃げだ。

 その先の扉を開けて終わるのが怖いだけ、その先の未来に自分がいないと知らされたくないだけだった。
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