ライバル店の敏腕パティシエはスイーツ大好きな彼女を離さない〜甘い時間は秘密のレシピ〜
第一章
1・神の舌と出会い
7月某日。梅雨の明けた夏本番の日。
私は市内のとある場所で行われる、スイーツコンテストに来ていた。
元々は閑散期の洋菓子店を盛り上げるためのものだったが、いつしかコンテスト形式になったと聞く。
ケーキの状態も考えて、会場内で冷房をガンガンつけてのイベントだ。
市内の洋菓子店が毎年自慢のケーキを持ち寄って、一般の人に販売し、投票してもらう。
そして投票の多かった二店のケーキを、実行委員会が決めた数名の審査員で食べて最終審査が行われる。
毎年、最終審査まで辿り着くのは、私の父、佐藤大輔が経営する『ファリーヌ』と、隣町のライバル店である『シャテーニュ』だ。
「天音ちゃん、出番だよ!」
「はーい!」
裏で作業を手伝っていた私は、手を一旦止めて他の審査員の人たちと共に控え室から会場へ赴いた。
洋菓子店『ファリーヌ』の娘、佐藤天音。大学に通いながら父の店を手伝っている。
私がこの審査員に抜擢されるのは、とある特技があるからだった。
私は市内のとある場所で行われる、スイーツコンテストに来ていた。
元々は閑散期の洋菓子店を盛り上げるためのものだったが、いつしかコンテスト形式になったと聞く。
ケーキの状態も考えて、会場内で冷房をガンガンつけてのイベントだ。
市内の洋菓子店が毎年自慢のケーキを持ち寄って、一般の人に販売し、投票してもらう。
そして投票の多かった二店のケーキを、実行委員会が決めた数名の審査員で食べて最終審査が行われる。
毎年、最終審査まで辿り着くのは、私の父、佐藤大輔が経営する『ファリーヌ』と、隣町のライバル店である『シャテーニュ』だ。
「天音ちゃん、出番だよ!」
「はーい!」
裏で作業を手伝っていた私は、手を一旦止めて他の審査員の人たちと共に控え室から会場へ赴いた。
洋菓子店『ファリーヌ』の娘、佐藤天音。大学に通いながら父の店を手伝っている。
私がこの審査員に抜擢されるのは、とある特技があるからだった。
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