すべてはあの花のために①
価値のない雑音に、耳を傾けることが億劫だった。
毎夜話す内容は変わらずリピートばかり。聞いているだけで、この場にいるだけで汚染されてしまいそうだった。
耳半分に、ふと落とした視線の中。膝の上で、震える握り拳が映り込む。……今はもう、ぬくもりを思い出すことはできない。
あの時の精一杯を、もう少し頑張っていれば、こんなことになっていなかったのだろうか。
「――……ごめんなさい」
願わくば。あの人がどこかで、幸せに笑っていますように。