人間が苦手なクールな獣医師が恋をして一途に迫ってきます
プロローグ
プロローグ



「はっきりと言わせてもらう」
 険しい表情をしたので何を言われるのかと私は身構えた。
 患者さんには優しいが職員に対してはクールで厳しい部分もある。私は何かを失敗してしまったのだろう。
 しっかり話を受け止めようと彼の瞳を見つめた。
「いつも仕事を押し付けられても笑顔で頑張って、職場の雰囲気をよくしようとしてくれている。山井さんが来てからこの動物病院の雰囲気が一気に明るくなった」
 怒られるのかと思ったら褒められているようだ。
 整った顔をしているから真剣な顔をするだけで迫力があるように見えてしまうのかもしれない。
「そんな姿をずっと見ていて、ものすごく魅力を感じていて、興味がある。プライベートでも話をしてみたいのだが」
 休憩時間だけど、まさか職場でこんなにストレートに気持ちを伝えてくれるとは思わなかった。
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