人間が苦手なクールな獣医師が恋をして一途に迫ってきます
「広大さんっ……くすぐったいです。待って……ください」
「待てない」
 広大さんから甘い口づけが降ってくる。彼の唇に首筋を愛撫された。
「……あのっ」
「シー」
 キスで言葉を封じ込められ、その夜……私はたっぷりと彼からの愛情を受け止めたのだった。

   *

「お待たせしました。次回の予約は同じ時間帯でも大丈夫ですか?」
『SUNアニマルクリニック』が開院して、三年が過ぎた。
 丁寧な診察と暖かい雰囲気が評判を呼び人気の動物病院となっている。
 地元住民だけではなく評判を聞きつけた人も遠いところから予約を入れてくれているようだ。
 私はトリマーの資格を取得した。
『SUNアニマルクリニック』で事務として働きつつ、トリミングの予約がある時はトリマーになる。
 過去に事務の仕事をしていた時よりも、資格取得したことで動物さんたちと触れ合える時間が増えた。
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