無口な彼の内情を知ったら、溺愛されるようになりました……!?
デートのお誘い
♡♡♡
数日後。
緑谷くんから好きだと言われて、あれから私達はーー何も変わってない。
変わったことといえば、夏休みに入ったこと。
緑谷くんは、自分の気持ちを言った後練習に戻ってしまった。そして、あの日は終業式。だから、どんな展開にもならず終わってしまったのだ。
ただ私は、ドキドキしていた。
緑谷くんが、私のことを好きーーほんとに?
後半からは、彼の心の声が聞こえなかったからーー多分、本心。でも、本当に好きなの? とか、聞けるわけない。自意識過剰って思われるかもしれないし……。
「うぅ……私、どうしたら良いんだろう」
長らく緑谷くんとは会わないけど、ずっと会わないわけじゃない。登校日だってあるし、二学期が始まれば毎日会う。
私、どんな顔をしたら良いの……?
頭の中は、そのことでいっぱいだった。いつもなら、習い事とか集中できることがあるのに。勉強をしようにも、集中するために頭の片隅にこの事を追いやっても、時間が経つにつれて彼のことでいっぱいになってしまう。
ーーコンコン。
「っ!?」
部屋の中でウロウロと歩き回って悶えていたら、突然のノック音に、ビクッと肩が跳ね上がった。