無口な彼の内情を知ったら、溺愛されるようになりました……!?

宣言


 ♡♡♡

 翌日。
 今日も朝から文化祭の準備で大忙し。文化祭の準備が忙しい時の朝のホームルームは、一分もかからない。担任の先生が、ちゃちゃっと終わらせてくれる。でも、今日はそうではなかった。

「みんなー。忙しいと思うけど、手を止めて席についてー」

 文化祭に向けて準備をしているみんなは、先生の言葉に不満そう。でも、言う通りに着席した。

「さて、今日みんなに手を止めてもらったのはーー実は、このクラスに転校生が来ました」

 先生の言葉に、教室内はぶわっと盛り上がった。

「えぇっ!? 転校生?」

「うそー! 初めて! どんな子!?」

「男!? 女!?」

 騒がしくなる教室を先生がニコニコしながらジェスチャーで声を抑えるように示す。

 転校生……! たしかに、みんなが盛り上がるようにどんな子が来るのか気になる……!

「それじゃあ、入りなさい」

「ーーはい。失礼します」

 先生の声で教室に入ってきたのはーー。

「っ!?」

 昨日の人……!

 思わず立ち上がってしまった。ガタッという音でクラスの注目が一気に集まった。

「? どうしたんだ、村崎」

 先生が不思議そうにする。みんなもザワザワとし始めた。
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