眠り王子と夢中の恋。


私は二人の手を片方ずつ握る。

引き抜かれそうになったけど、グッと掴んで離さなかった。



「私はあなたたちに悪者になってほしくないです。
もちろん、恨んでなどいません」

「……っ」



もっともっと、気持ちを込めて。
心がこもっていると、伝わるように──。



「みんなで仲良くしましょう。平和な言葉を言っているかもしれませんが、私は本気です。
それより私は、あなた方の心からの笑顔が見たい」



すると、みるみる二人の頬に涙が流れた。



「……もう、なんなのよ!泣かせないでよねっ」

「鈴崎さんがそんな事言うとか、意外すぎるし!」



しばらく泣き続けた後。



「「鈴崎さん、今までごめんね」」



そして──。



「「小春も、ごめん」」


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