眠り王子と夢中の恋。



だからその日も暇を持て余していて、何度も通ったホールを何気なく覗いた。

すると床の真ん中に見知らぬ女子が倒れていて。

俺は思わず硬直した。

……誰?
もしかして、死んでいる⁉︎



「ん……」



起きたのか、ゆっくりと立ち上がって周りを見回している。

なるほど、意図的に来たわけではなさそうだ。



「おい」

「⁉︎」



肩を震わせて振り返った彼女と視線が交差する。

その一瞬、俺はなんともいえない懐かしさを感じた。

なんだろう?思い出そうとしてももう出てこない。


< 56 / 284 >

この作品をシェア

pagetop