眠り王子と夢中の恋。
ソファの兄の隣に座って、一緒に勉強をしているみたいだった。
夏休みだからか、私服で来ている。
背が高く目鼻立ちがすっきりしていて、大人っぽい印象だ。
淡い水色のワンピースで、夏らしい。
首元には、兄がプレゼントしたというネックレスが光っていた。
肩まである茶色がかった髪はクルクルと巻いている。
「……はじめ、まして」
私は思わず下を向く。
胸元まであるまっすぐな黒い髪が垂れてきた。