眠り王子と夢中の恋。
意外と短かった夏休みも終わり、二学期が始まった。
また毎日無の顔を作らないといけないことに憂鬱さを感じる。
ああ、はやく夢界に行きたい。
授業中に小春らがしているように居眠りをすれば行くことは可能なのだろうけど、勉強を疎かにはできない。
「ねね、遊園地の時さー……」
「わ、超やけてんじゃん!どっか行ったのー?」
思った通り、今日も夏休みの話題が飛び交い眉を寄せそうになる。
文庫本を開こうとしたその時、
小春に声をかけられた。